レザーについて知識がなければ皮革は皮革でしかありません。しかし実は革にも様々な種類があります。レザークラフトをする際には必ず知っておきたい革の種類と特徴をまとめました。

レザークラフトで用いる革と皮の違い

皮革と言い表されることが多いレザーですが、皮と革は違うものです。正確に言えば、革は皮を加工してできています。
獣の皮はそのままの状態では腐敗しますので、薬品を馴染ませてタンパク質を変性させるなめしという工程を行います。なめしを経て製品に加工できる状態になったものを革と表現します。

レザークラフトに用いられる革をなめす薬品の種類とその違い

・クロム
現在革製品(主に衣料用)で流通の主軸となっているのがクロムによるなめしです。工程がタンニンに比べて短くて済むことから比較的安価で購入できます。クロムでなめされた革の特徴は、柔らかく経年変化しにくいところです。手入れもほぼ不要なので誰でも気軽に持つことができます。しかし焼却すると毒性の高い六価クロムが発生するので使用の縮小が検討されています(加熱により酸化させなければ無害ですが、稀に金属アレルギーが起こることがあります)

・タンニン
樹木や果実などに含まれる植物由来の物質で、このタンニンによるなめしは古代から行われていました。クロムに比べて安全性の高い方法ですが、工程の多さと時間がかかることから売価が高くなっています。仕上がりはクロムなめしに比べて硬く、年月を経るに従って色味が変化します。革に深みが出るといった表現はこのタンニンなめしの革の変化を示したものです。浸透性が高く水に弱い性質を持っており、こまめな手入れが必要です。

・ミョウバン
一部毛皮やスエードなどを除き、製品として流通しているものはほとんどないなめし方法です。しかし手軽なことから、狩猟などで得た皮を個人でなめすのによく用いられます。仕上がりは白っぽく柔らかくなるのが特徴です。

また、革はその後の処理の仕方でも特徴が変わってきます。レザークラフトでよく使われるのはタンニンでなめしたままの「ヌメ革」や、オイルを含ませた「オイルレザー」、裏面
を毛羽立たせた「スエード」などです。

レザークラフトで主に用いられる牛革の種類

革製品に用いられる動物の種類は多種に及びますが、一般的にレザークラフトで用いられるのは牛革が圧倒的に多くなっています。入手しやすい上に見た目にきめが細かくて美しく、厚みも多様に選べることが牛革の利点です。
牛の年齢や性別によって牛革にも違いがあります。その呼び方と特色は以下の通りです。

・カーフ
生後六ヶ月以内の子牛の革です。柔らかくて薄く、きめが細かいのが特徴です。サイズが小さく生産量も少ないので、牛革の中では最も高価です。

・キップ
生後六ヶ月~二年の牛の革です。カーフにはやや劣るものの柔軟性がありきめも細かく、またカーフに比べて強度も増しています。

・カルビン
生後二年以上で出産を経験していない牝牛の革です。カウやステアよりきめが細かく、成牛では最上質とされています。

・カウ
英語でcowといえば牝牛をさすように、生後二年以上の牝牛の革もカウと呼びます。雄牛の革よりは薄手で柔らかく、バッグや衣料品によく使用されます。

・ステア
生後二年以上の去勢雄牛の革です。厚みがあり丈夫ですが、柔軟性やきめの細かさにやや欠けます。最も流通量が多く、レザークラフトにもよく使用されています。

・ブル
生後二年以上の未去勢雄牛の革です。硬く丈夫で厚みがありますが、柔軟性に乏しくきめも粗いため革製品としてはあまり使われません。

まとめ

実際に店頭で革を手に取ってみれば一目瞭然の革質も、インターネットなどの通信販売でははっきりしません。そんなときに頼りになるのがなめし方や革の呼び名です。作りたい作品によって、革の硬さや手入れの必要性は大切な選択肢になります。これらの情報を加味しながら作品作りに相応しい革を選んでください。