ほんの小さなものでもよく映える刺繍は、ステッチを覚えれば誰でも刺すことができます。ここでは刺繍で使う道具と、これだけ知っておけば刺繍が刺せる基本のステッチを紹介します。

刺繍手芸で使う基本的な道具

刺繍で使う道具はそれほど多くはありません。手芸品店に行けば一度に揃うので、刺繍を始める前に買い揃えておいてください。

・刺繍針
糸の太さが通常の縫い糸とは違うので、専用の針があります。取合せの針を買っておくと何本取りでも対応できて便利です。クロスステッチの針はフランス刺繍の針とは違うので注意してください。ここで紹介しているのはフランス刺繍です。

・刺繍糸
100円ショップでも販売されていますが、発色や光沢は手芸店のものと比べると劣ります。

・刺繍枠
大小ふたつの輪を重ねて布を挟み、刺繍を刺しやすくする道具です。きれいにステッチするには必携の道具です。

・チャコペンシル、チャコペーパー
布地に図案を描く道具です。ペンシルは直に布に描き入れるときに、チャコペーパーは紙に描かれた図案を布に写すのに使います。

・糸切りばさみ
裁縫に使う普通の糸切りばさみです。普通のはさみでも代用できます。

刺繍手芸で用いられる基本的なステッチ

・ランニングステッチ

普通の波縫いと同じ縫い方のステッチです。ありふれた縫い方ですが細かく針を進めていくと点描のようになったりと、工夫次第で面白い効果を出すことができます。

・バックステッチ

糸を出したところより後ろに針を入れ、裏側からさらに前方に針を進めることを繰り返すとランニングステッチより糸の隙間が小さいステッチになります。後述のアウトラインステッチほどくっきりとした線にはならないので、草花の細い茎や縁どりに向いています。

・スレッデッドランニングステッチ

細かく刺したランニングステッチの縫い目を交互にくぐらせて波線にしたステッチです。ランニングステッチの縫い目の間隔の取り方で波線の緩さを調節できます。バックステッチの縫い目をくぐらせるスレッデッドバッグステッチにすれば更に目の詰まった波線を表現できます。

・アウトラインステッチ

通常の縫い方は右から左へと進みますが、このステッチは左から右へ進みます。最初に針を出した位置より右に針を入れ、その真ん中から針を出すことを繰り返して縫い目を重ねていくことでくっきりとした線を描きます。名前の通り輪郭を描くのに適したステッチです。

・サテンステッチ

模様の端から端まで縫い目で埋めていく手法です。みっしりと詰まった糸がサテン生地のような光沢を出して美しく見せてくれます。フランス刺繍の代表的なステッチです。美しいサテンステッチを刺すには、輪郭がぶれないようにすることと縫い目の方向が揃っていることが重要です。

・チェーンステッチ

針を出した箇所のすぐ下に針を入れ、糸を少しだぶつかせて進行方向に倒します。その先端部分内側から同じように針を出してすぐ下に入れてを繰り返し、鎖模様のステッチに仕上げていきます。輪郭に使うと柔らかい印象の線になります。

・フレンチノットステッチ

糸を針に巻きつけながら同じ場所に刺していくことで、ボタンのような形のステッチを作ることができます。花の芯やつぼみを表現するのにぴったりのステッチです。

手芸作品をより魅力的に見せる刺繍糸の使い方

刺繍糸は細い糸を6本より合わせて1本の刺繍糸としています。もちろん6本取りでそのまま使っても構いませんが、表現したい部分によって糸の本数を換えるとより魅力的に仕上がります。
目立たせたくない輪郭線を1本取りのランニングステッチで刺したり、通常6本取りで刺すサテンステッチを3本で刺してラフ感を出したりと工夫してみてください。

まとめ

きれいな色の刺繍はワンポイントにあるだけでも作品の印象をがらりと変えるインパクトがあります。布小物やバッグ、洋服に好きなモチーフを刺して、更に素敵な作品を作り上げてください。